2016/06/24 09:04

昔むかし、私がまだ小学校の低学年のころ、
田舎の街にはまだ街灯も珍しかった頃のことだ。
街には映画館が4館あり、3本立てが当たり前の田舎町。
映画と映画の間にはニュース映画が流れ、
3本の上映が終わると、
休憩時間にレコードが館外にも流れてきていた。

私の家(モリエ米店)のある商店街をまっすぐ大門に200メールほど歩いたところに
日活中心の上映館があった。
高い建物物もなく、クルマも走ってない時代。
休憩時間のレコードの歌が家にいても聞こえてきた。
裕次郎や旭のときもあるけれど、
たいていは美空ひばりの歌声だった。

隣のおばちゃんがその映画館の売店に勤めていたので、
私の3つ上の息子さんといっしょに裏から入れてもらい
映写室に入って宇津井健のスーパージャイアンツを見るのが一番の楽しみだった。
レコードは上映作品と関係なく美空ひばりの歌だった。
何処にあるのか知らないままに港町13番地に思いを馳せて、
小学生の私は銀玉ピストルの銃口を口とがらせて吹いていた。

1989年の今日、美空ひばりは逝った。
ヒット曲リンゴ追分から林檎忌と呼ばれていることを知ったのはつい最近のことでした。