2016/07/06 09:18

絶妙って言葉はこの歌のためにあるのかもしれません。
なんてことのない7/6。
みずみずしいけど青臭いサラダ。
淡く、消え入りそうな、一瞬きらめいた記念日。


私は寺山修司が大好きで、
「マッチ擦るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや」
この歌に衝撃を受けたのは高校時代。

おそらく今では誰もマッチなど擦らなくなっているのだろうけど、
あのツンと鼻を刺す燐の匂いと暗い霧の中でボワっと揺れる灯りは
寺山修司の口ごもるような重さでないと表現できない世界だった。
多分身捨つるほどの祖国なんてありはしないけど、
それを思うような横顔をマッチの灯りの揺らめきの中で浮かび上がらせることは
とっても意味深いもんだったろうなと想像する。

翻って、『この味がいいね』と口に出せる時代のなんともいえぬ平和さ。
それも大事なことなんでしょうね。
この夏の暑さをグリーンサラダでやり過ごそうかと思ってます。